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看板に出ているからと言って、専門医であるとは限りません。 ところが、2003年に、N本矯正歯科学会専門医制度準備委員会が発表したアンケート調査によると、「科名標榜(診療科についての標榜)が医師や歯科医師の自由裁量にゆだねられていることを知っていますか?」全国の矯正患者本人5694人+患者の家族9967人+その他78人(合計1万5739人)のうち「いいえ」が約84.3%、「はい」が約15.1%、無回答が約0.6%という結果となっています。
この調査から、ずいぶん年月がたっていますが、今でもほとんどの人が、この自由標榜制をよく知らないという状態はかわっていないと思います。 看板(標榜)をかかげているから、専門の医師だろうと判断し、診療を受ける人が多いのではないかと思いますが、この看板は、選択の基準にはならないのです。
歯科矯正は、体の構造を変化させるため時間がかかり、治療期間は通常、年単位で必要になります。 ですから、歯科医師になるために学ぶ6年間の歯学教育の中では、歯科矯正に対しては、基礎的な教育しか受けられません。

安全に歯科矯正治療を行えるようになるためには、歯科大学卒業後に、数年以上の専門研修が必要なのです。 現状の日本においては、歯科医師免許を取得した者なら誰でも、専門研修や治療経験の有無にかかわらず、歯科矯正治療を行うことが可能なのです。
「矯正歯科」という看板(標榜)は、開業している歯科医師個人の判断でかかげることができるのです。 ですから、矯正歯科という看板やネット広告からは、本当に歯科矯正を専門に研修を積んだ歯科医師かどうかを判断することはできないのです。
ましてや、歯科医師の技量をはかることなど到底できません。 こういった状況だからこそ、患者である私たちが、日本で専門の医師を探すのが難しくなっているのです。

もし仮に、どの医師も同じ能力をもっているとしたら、ひとつに打ち込んでいる医師と、2、3のことを手がけている医師とをくらべたときに、どちらのほうが、技術が上になるでしょうか?たぶん、ひとつのことに打ち込んできた医師だと思います。 歯科矯正も同じです。
虫歯や歯周病の治療も、インプラントも行っている歯科医師よりは、歯科矯正だけを行っている医師の技術のほうが上まわるのではないでしょうか。 歯科矯正を専門にする医師は、抜歯さえ自分で行いません。 なぜ抜歯をしないかというと、一般歯科治療を専門とする歯科医師が行ったほうが上手だからです。

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